悠星

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「こんばんは。お話ししたくて待ってました」 悠星さんの部屋には孫だけしかいない。 「悠星さんは?」 「母の具合が悪いので付き添ってます」 「そうですか」 食事が運ばれてきたけど、こんな和食食べられるのか?箸使えるのか? 「あの、あなたの名前教えてください」 「天野雪見(あまのゆきみ)です」 「ゆきみさん…俺は悠人(ゆうと)です。父と同じFBIで働いています」 「なんですかそれ?」 「え?捜査機関なんですが」 「知らないです」 「…え、あれ?話してないんですか?」 「はい」 「では、忘れてください」 「はい」 普通に箸使って飯食ってるし。うまいもんだな。 「おじいさまから聞きましたが、雪見さんは霊が見えて、夢も見るとか」 「ええはい」 「実は、俺は動物と話せるんです」 「そうですか」 「でも。触らないとできなくて。なにか集中できる方法ありますか?」 「…瞑想?」 「めいそう、とは?」 「頭を空にするんです。やったことないですか?」 「パパが昔教えてくれたかも…」 パパ…?あぁ、悠星さん?柄じゃない。 「それやったらいいです」 「パパは雪見さんの指導もしましたか?」 「少し?」 「厳しかったですか?」 「いや、別に」 諦めてたような? 「やっぱり息子だから厳しくなるんでしょうか?」 「さぁ」 俺が食べるのをじっと見ているその目は、金色だ。瞳孔が猫みたいに細い。珍しい目をしてる。
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