悠星

4/7
前へ
/48ページ
次へ
「食後にははじめよう」 「…もう着替えてるし」 翌朝、住職は袈裟姿で朝食を食べていたのであった。俺はいつもの作務衣だ。 「パパ、俺も見てもいいの?」 「もちろん。悠人も見てほしい」 「俺も同席します」 「雪見さんも見学ですね。よろしくお願いします」 無邪気な孫だ。 悠星さんの嫁は、具合が悪そうに見える。みるくも具合悪いけど、あの肌の白さは尋常じゃなく白いから、いつもあんな感じなのかもしれない。 食後に、仏間でそれぞれ座布団に座って待つ。最初瞑想やったとき、足痺れたの思い出した。だから、お孫さんらは足は大丈夫か不安になる。 住職は悠星さんの嫁の前に座りなにか唱える。眠らせるようだ。 俺は孫と悠星さんより後ろに座り、後方から支援。目をつぶって、悠星さんの嫁、マーシーさんとどうにか繋がろうとする。英語はできないけど、なんとかコミュニケーションとりたい。いや、とるんだ。俺が、やるんだ。 「え、なに?誰なの?」 「わ、日本語しゃべれたんですねーよかった」 「しゃべれないわ」 「あ、そうなんですね。はじめまして、天野雪見です」
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加