言霊

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雷さんは、なにやら冷蔵庫をあさっている。もてなしの精神がある人だ。缶ビールを持ってきた。 「雷さん、ビールは飲めないです」 「嫌い?」 「まだ未成年です」 「へー!そーなの?じゃあジュースないから、水でいい?」 「ありがとうございます」 昼間からビールなんだ。ワイルド。俺には、コップに入れた水をくれた。ちゃぶ台を挟んで話すわけでなく、隣に雷さんは座ってきた。 「雷さんは、姉とどこで知り合ったんですか?」 「んーと、風俗?」 「雷さんはそういうところ、よく行きますか?」 「行かないよ?友達に連れてかれて」 「それで、姉に気に入られたんですか?」 「うん」 迷惑なやつだ。 「姉は風俗を嫌がってました。雷さんはどうやって気に入られたんですか?」 「お話ししたら」 「へぇ。なんか、いつも偉そうにしてて、雷さんを傷つけてないか不安です」 「雪乃ちゃん優しいよ。他の人はいじわるするけど」 「なぜ?」 「バカだし」 「そうですか?」 「雪見くんはちゃんと学校も行ってるでしょ?俺はねー座ってられないんだよ?高校辞めたし」 「俺も行ってないですよ。捕まってたし」 「そうなの?」
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