相手を選ぶ時は細心の注意を!

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 暫く車に揺られた後、停車した場所は、まあなんと言うか....ザ・日本家屋である。  だけど、コンクリートの高い塀が、いつか聞いたいたヤクザの本拠地そのものであった。  人工的な中に、味のある表札。 ーーーーダダンッ!とか太鼓の効果音を付けたらいいのだろうか。 「お勤めご苦労様です!若頭(わかがしら)。」  男の座る方の扉を開けたのは、スキンヘッドのおっさんだ。  チラリと覗き見られて、目が合うとフリーズした坊主。  それは私も同じである。 「何してんだ、早く退けよ。」 「....っすみません。」  一向に退く気配がない坊主に、男は苛立ち舌打ちを落とすと、坊主は慌てた様子でその場から立ち退く。  男は先に降りて私の方に回り込むと、扉を開き手を差し伸べた。 「あ、どうも。」  極々自然に、その手を取って降りてしまった。 【○○指定暴力団 山田組】  あれだ。ニュースで見た事ある。  山田組の組員が、他所の組織とドンぱちした〜とか、あ....去年のクリスマスは、奉仕活動で養護施設に沢山のプレゼントを贈ったとか....。  良いんだから、悪いんだか、よく分からないヤクザが居るな〜とか、賛否両論の世の中。 「あの、若頭....その、女性が例の方でしょうか?」  スキンヘッド強面おっさんは、恐る恐る訊ねると男は澄まし顔で、「だったらなんだ。」と一刀両断する。  あれ....一気に血の気が退いていく。  若頭って、んな馬鹿な。
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