9.とんでもない薬※

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9.とんでもない薬※

ティムが出て行ってからどれくらい経っただろうか。 ダニスの部屋で、アランは身体中が火照り頭をぼんやりさせながら、ソファーに横たわる事しかできなくなっていた。 ティムに何か薬を盛られた事は不覚だ。 きっとダニスが来たら、ここに来る前に他を信用するな。と言ったばかりで呆れた顔をされそうだと思った。 ティムは倒れてるアランに、ちょっーと暫くしんどいだろうけど、直ぐに楽になるから大人しくそのまま居てね。とだけ悪気もない顔をして寧ろ楽しげに部屋から出て行った。 盛られた薬は、多分だけどダニスが使ってた蝋燭のアロマと似た類のものなんだろう。 身体中が過敏になって、下腹部に自分の意思とは関係なく疼くのがわかった。 「っ……」 ただアロマより強い効果なのか、服が肌に擦れるだけで体がぞくぞくと反応してしまう。 頭の中がまるで溶けてるみたいに、全身から感じる感覚以外あまり思考が動かなかった。 身動きをすれば、反応する体に自分ではどうしょうもなく、抑えるどころか段々と感覚が昂まってくる。 助けて欲ほしい。 誰か、どうにかしてくれ。 と、しまいには昨日ダニスにされた記憶が蘇ってアランに触って欲しいと思ってしまう事に、自分はどうかしている。 その内、ダニスが自分の部屋なら帰ってくるだろう。 速く来て欲しいと思う気持ちと来ないで欲しい気持ちとが入り混じっていた。 私はどうしてしまったのだろうか。 いや、薬のせいに違いない。 そんな、アランの複雑な気持ちとは関係なく入り口のドアの扉が開いた。 黒い髪にコートを着た姿は、まさしくダニスで他の誰でもない事にアランはどこかホッとした。 入ってきたダニスと目があって、どうにかして欲しくてでも変な声が出そうで押し殺した声で絞り出す。 「……ダ……ニスゥ……っっ……たす…て……」 ダニスが、少しばかり面食らったように一瞬だけ固まった。 それから入って来たドアにもたれ掛かって視線を他所に向けると、前髪を掻き分けてから少し長いため息をついた。 やっぱり呆れてしまっただろうか? それはそうだろう、部屋に来たらこんな状態の自分がいるなんて思って無かっただろうと、アランは思っていた。 油断した自分が悪い。 でもどうしょうもなくて今はダニスに頼るしかない。 「…ご……めん…」 「……謝らなくていい、アイツに頼んだ俺が悪かったからな」 ダニスは、いつも通りの表情をしてアランに近寄ってくる。 どうやら呆れては無いらしい。 むしろ何でアランがこうなってるかも、誰がしたかも分かってる様子だった。 「とりあえず、ソファーじゃしんどいだろう」 そう言ってダニスは、ソファーから動けそうに無いアランを抱き上げようと肩と足を触れた時だった。 服の摩擦でさえ敏感に感じる体は、ダニスに触れられただけで体を震わせ、いったい自分のどこからでるのか、吐息と共に艶いた声がでる。 「……はっ…あっ……」 ダニスの手が一瞬だけ止まってから、そっとゆっくりと抱き上げた。 ここの場所に居る他のガタイの良い男にら比べたら細身なダニスだが、力はあるらしい。 まだ身長は低いといえど、少なくとも男なので体重もそれなりにある。 そして、男に抱き上げられるなんて普段なら恥ずかしさがあったが、今はそんな事はどうでも良かった。 早くこの状態をなんとかして欲しい。 ダニスは、ベッドにアランを寝かせ、それさえも体が反応してる姿を見てか、少し眉間にシワを寄せていた。 「一体……どんだけ強い薬を入れたんだ。アイツは。」 ダニスは、珍しく言葉の最後に苛立ちを強くしている。 コートや上着を脱いでネクタイも緩めた軽装に早々となると、ダニスはベッドに腰を下ろした。 「その薬を抜くには、少し骨がいる。……抱かれたくないなら早めに言え」 ダニスは、アランの被っているウィッグを外し、引き寄せると無雑作に服を脱がしていく。 突然の事にアランは困惑しながら、触れられるだけで過敏に反応する体に息が詰った。 体は力が入らずに、そのままダニスの手が服を脱がしてくのを目で追っていく。 「……っ……な……?」 困惑している反面、鼓動が高鳴っていく事に自分自身が信じられなかった。 でも、シャツのボタンを外していく指から目を逸らせずに、戸惑いつつ疑問を返す。 「……ほか……には?」 「その様子だと、長くて5日は抜けきらないだろうな」 その言葉にアランはゾッと背筋が一瞬寒くなった。 今のこの状態が長くて5日も続くのかと思ったら、薬が抜ける前に自分がおかしくなってしまう。 それに耐えれる自信なんてアランには無かった。 兵に屈辱的に扱われても耐えれたのは、身体が少なくとも自分の意思で苦しみから耐えれたからだが、今は違う。 自分の感情も感覚も意思とは関係なく昂っていくのを耐えなければいけない。 それに、もう既におかしい。 抱くと言われた瞬間身体が熱くなったなんて、本当にどうかしている。でも、この状態から解放されるなら……と、アランはゆっくりと頷いた。 「……わかった」 アランが応えると、ダニスの片手が頬に触れ撫でるように輪郭をなぞると顎を上げられる。 既に視界にはダニスの顔が間近にあって、気づけば口が重なっていた。 「ん……!?」 アランは驚いてそのまま目を見開く。 唇に自分以外の温かい感触がして、目を瞑っていたダニスの黒い睫毛が持ち上がり、黒い瞳と視線が合うとゾクリと背中が震えた気がした。 重なった口が少し離れれば、息を吐かけてまた口を塞がれると、不意に開いた口に舌が入ってきて舌を絡めとられる。 「……んんっ! ……はっ……ん…」 息苦しさに目を瞑れば、口内の刺激に身体の芯から熱が上がってくる感覚がして、アランはダニスのシャツを無意識に掴んでいた。 口が離れて、刺激の余韻に頭を持っていかれながらダニスを見上げる。 「はっ………これ……い…るのか?」 アランは、内心驚いていた。 キスされるとは思っていなかった。 兵に組み伏された時も、キスをしてきたヤツは居なかった。 ましてやこの状況だから、ダニスなら淡々とするのかと思っていたから余計かもしれない。 「どうせするなら、気持ち良い方がいいだろう? それに……」 ダニスがフッと笑う。 アランは、いつの間にか殆ど服を脱がされていた事に気づく。 ダニスがとろみのある液体を容器から自分の手に出して、アランの下腹部に手を滑らせた。 躊躇もなく蕾に指を沈める。 「ヒッ!……あ……やっ…」 兵士に乱暴されまだ癒えない場所に痛みが走りアランは体を飛び跳ねた。 拒否の反応を返す間も与えずにダニスの指は中を容赦なく弄って、アランは痛みに唸ってはベッドで体を捩らす。 「ここをこんな風にした奴らと一緒にされるのはごめんだ。」 「そんな……っぁ……こと」 思うはずが無い。 兵がしたのは無理矢理同意させる事と鬱憤の吐口だ。 今の状況は、どうしょうもないだけで、寧ろこれは私の方が……と思い至って、アランは一瞬で顔が熱くなって恥ずかしくなった。 中に入ってるダニスの指の動きは止まらずに、余った手で耳裏を指で撫でられ、それに反応を体が返せば、ここ弱いなと、ダニスが微かに笑って返す。 アランは、恥ずかしさで顔を手で隠そうとすれば、腕を掴まれて遮られた。 羞恥心を覆い隠すものがなくなって、アランは顔を赤くした。 「もう少し顔を見せろ」 ダニスと視線がかち合って、落ち着かずにアランは視線を外す。 ダニスにくすっと鼻で笑われ、子ども扱いされた気がして少し腹立たしい。 掴まれた腕が離され、その手がアランの胸の飾りに触れては、転がしたりして弄り回しだす。 「ふあっ……へっ?……」 ゾクゾクと背中になんとも言えない感覚が走った。 薬のせいとはいえ、そんな所で感じた事などない。 執拗に弄ってくるダニスに、アランはされるがままに身体が反応を返した。 触れられてない片方の胸の突起をダニスが口に含み、今度は舌で転がしたり歯で甘噛みする。 「っ…ふっ……はぁ……あ」 元々高まっていた身体は、声も反応も抑えが利かずにそのまま出てしまった。 アランは、自分のコントロールが効かない事に恥ずかしさで死んでしまいたいと思いながら、身体はぞくぞくしてどこかもどかしく切なく感じて、ダニスに視線を送る。 「ん?どうした……?」 そこで聞いてくるなんて意地悪だ。 そうアランは思いつつも、薬で元々高まっていた身体は別のところを欲していた。 それは、隠れるどころ脱がされた時から目に入るほど明らかだ。 ダニスは、それを分かってて薄く笑みを浮かべて聞いてくる。 「……もぅっ……そこは…いい……からぁっ」 そうか?と言ってダニスは片方の突起をキュッと指で摘み上げてくるのに、アランは喘いだ。 それに、膨れて睨み返すとダニスは特に悪びれもなく、悪かった、と言いつつどこか楽しそうだ。 弄ばれてる気がするのがなんだか悔しくて、そっぽを向こうとすれば、確かここだったな、と中へと沈めている方の指がぐいぐいと中を擦った。 「ヒァッ!!」 背中に電気で走ったみたいに突然の快楽に、アランは悲鳴を上げた。 身体は背を剃り返して大きく反応もすれば、下腹部のアラン自身は塗れている。 「先に一度イッておくか?」 とダニスはアランの昂った自身に触れて、濡れてる先を指で擦った。 「え……まっ…ァアッ……あっ……!」 突然の快楽で無防備だったアランは、そのまま快感に喘ぐしかない。 そのまま続けるダニスの手の動きに体も震える。 中のダニスの指が先ほどアランが反応した中をぐいぐいと突いてきた。 「ふあっ……ひっ…ァっ……まって…もうイッ…」 同時に攻められ、快感で昂まった身体は直ぐ熱を吐き出したいと悲鳴を上げる。 ダニスの手は容赦なくイイ所ばかり突いてくるのに、体を反らして腰が無意識に浮いた。 「ああっ……っーー!!!」 耐えれなかった熱が吹くとベッドを濡らして、体はビクビクと余韻で痙攣する。 息を乱してダニスの方を見るとなんともない顔をしてるせいか、逆に恥ずかしくなった。 「こっちの具合も良さそうだが……体起こせるか?」 アランは、恥ずかしさでダニスから視線を反らす。 まだ余韻が抜けない体に力を入れようとしたが、薬が抜けてないのか依然として体の火照りが治らずに、体も力が入らなかった。 アランは首を横に振る。 「無理そう……というか……なん…で?」 それどころか、さっきイッたばかりだというのに、アラン自身はひょっこりと元気を取り戻していた。 ダニスは、近くにあった枕をアランの腰の下に引くと足を開かせて、自分の熱を持ったもののアランの蕾に当てがった。 当てがわれたものにアランは驚くも体はゾクリと震わせ、切望してたように心臓の音が速くなった。 「言っただろ、薬を抜くには少し骨が折れると」 「え…ちょっ……と…まっ」 静止の声をかける間もなく、アランの中へと突き上げた。 「ヒッ!……っっ」 指と違って明らかに違う大きくて熱いものが押し入ってくるのに、アランの口から悲鳴があがる。 ただでさえ、兵に組み敷かれた痕の中を入ってくるのに痛くない訳がない。 アランの体が少し震えてるのにも構わずダニスはそのまま沈めていく。 「怖がるな……薬の効果で直ぐに忘れる」 既にいっぱいいっぱいなアランは、ふぇ?と何を言われたのか分からず聞き返す。 ふっとダニスが少し笑うのを目で捉えたのと同時にダニスが腰を揺すった。 「ふぁっ!!……ああっ……っ!!」 ダニスが動いた瞬間、アランはぞくぞくと背中に電気が走っるみたいに駆けぬけ背中が反り返る。 気づけば、自分の腹の上には吐き出された熱が掛かっていた。 アランは、一瞬何が起きたのか理解できなかったが、体は余韻でピクピクと全身反応している。信じたくはないが、どうやら直ぐにイッてしまったらしい。 理解が追いつかないまま、アランの中の浅い所でゆっくりとダニスが動き出した。 「ァッ……まっ……イッ…たばっ……ふあぁっ……!!」 アランは、直ぐに体が大きく反応してまた直ぐに熱を吐き出す。 肩を揺らして息を大きく乱した。 身体中の血液がどくどくを脈を打っている音が聞こえる。 ダニスのが奥へと押しいるたびに、体は震えて喜び喘いでしまう。 思考が混乱してる中、ダニスの手がアランの頬を撫でた。 「こんな感じで暫くイキっぱなしになるが、そういう薬だと思って諦めろ」 アランはその言葉にゾッとした。 これが続くのか?と。 だったら先に言って欲しかったとアランは心底思った。
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