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「あ、でも……」
ふと思い当たって、声を漏らす。
「CD貸してもらっても……、そのあともイヤホンの片方、聴かせてもらってもいいかな?」
キョトンとした表情で見られて、早速発言を後悔する。
伊月くんとのこの時間が好きだから、無くなるのは寂しいんだけど……、図々しすぎる?
一度目をそらして、またそっと視線を戻す。
「もちろん。俺、最近は家でも、片耳だけで聴かないと落ち着かなくなってさ。真桜が片方持っててくれないと困るよ」
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