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するとたしかに、ハチの身体の中でなにかが沸騰しているかのように、ハチの全身が波打っているのがわかりました。
その光景は、まるで夢の中の出来事のように強烈で、不思議なものでした。
にわかには信じられない光景でしたが、ハチの中で何かとてつもないことが起きているのはたしかです。身体の表面が波打っているせいでハチはまるで、やわらかな風船のようにも見えます。
ハチの身体の内部で一体何が起きているのでしょうか。
そして特にハチの目です。
黒くて茶色い、飴玉のような二つの目。その表面がゼリーのように、とりわけ激しく波打っているのです。
その動きは、みるみる大きくなっていきます。
ハチの身体、そして目が液体のように、悪夢のように、グロテスクな動きを繰り返します。
やがてその波打つような動きは頂点に達し……
ハチの目が、パチン、と弾けました。
激しい波動に耐えられなくなったハチの目が、得体のしれない液体を周囲にまき散らしながら、爆発したのです。
ハチの目玉と共に炸裂した黒い汁は、ハチの一番近くで見ていた男の子の顔にかかってしまいました。
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