魔族視点(5/28修正済)

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「コイ…?」 「言っておくが、魚のことじゃないからな。定番ネタかますなよ?」 「…?」 そうは言われても、よく分からない。 少なくとも……魅了状態ではなかったらしい。 「第一、お前に人間のデバ…弱体魔術が効くかよ。あー真面目に聞いて超疲れた。惚気なら他でやって」 「そう…か…。これが……」 まだ信じられないという顔をしているが、多少なりと腑に落ちたらしい。 「お前は本ばっか読んで、眷属以外の…表情筋が動く生き物と関わらなかったからなぁ?どうだ、少しは人間好きの気持ちが分かったか?」 人は魔族ほど生きられない。 それでも考え、生きようとする姿は見ていて飽きない。 魔族にない価値観を持ち、友を愛するのだ。 ここに住む数名のヴァンパイア達もそれを良しとしハーレムを作り、"家族"を守るために尽力している。 まさに理想郷だとハロルドは想う。 「まぁ…どうしても目障りってんなら俺が引き取ってもいいよ」 「――、」 その時、ぴくっと男の表情筋が動いた。 「帰る」 「あ?」 「が転んだと連絡が入った」 若干怒りを含んだ形相で、帰り支度を始める友人。 (うえぇー…めっちゃ大事にしてるやーん) なんだ、余計な心配することはなさそうだ。 安心した。 「ハロルド」 「ん-?」 「悪くない…・ものだな」 そう言い残して一方的に、男はその場からふっと消えて行った。 そして誰もいなくなった応接間でハロルドは一人、 敬礼をした。 (魔族視点 END) ハロルドは日本からの転生者 人間から魔族に生まれ変わっちゃったけど、人間も魔族も幸せな生き方ができるように奔走中。 鑑定(S)により、ありとあらゆるステータスを確認できる。腐男子。
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