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ここは私立鳴影学園。
誰しもがこの学園の制服を見れば振り返り、
ヒソヒソと噂話をする。決して悪い話ではなく。
それは、この学園が幻に近く、その上全国で指折りの権力者、御曹司、優秀者だけが集まる学園だからだ。
しかし、この学園は少しおかしい。
きっと誰しもが入れば気づくこの異常は、この学園内では普通と化していた。
この学園は初等部からあり、そのせいか、
ゲイ、バイが凄く多い。
やはり多感な時期だからなのか、そういう方向に走ってしまう人が多いのだ。
そしてもうひとつの異常は生徒会。
この学園の運営は全て生徒会がになっている。その権力は学園内で理事の次に強い。教師よりも強いのだ。
そのため、生徒会には優遇措置が多くつく。
例えば、授業免除。仕事が多いから授業に出なくていいんだ。まぁ、最もな話だろう。
生徒会は何故か人気投票のようなもので決まる。
そして生徒会が表に出ればひとたび黄色い悲鳴が鳴り止まない。
耳の鼓膜が破れそうなくらいの声は心臓に悪い。止まってしまそうだ。
まぁ、けれど私もそんな一員。
というより騒がれる立場の副会長。
私はこの学園に初等部からいるもので、もうこの現状は正直慣れてしまっている。
私自身ノンケなのか怪しいところだ。
まぁ、今まで男を好きになったことは無いが……。
そう言っても女を好きになったことも無い。
今日も始まる日常にため息を吐きながら。
『おはようございます。副会長の叶芽 白蓮ーカナメ ハクレン です』
きゃァァァァァァァァァ!!!
黄色い悲鳴を耳に入れて、私は今日も歩き始めた。
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