姉の婚約者

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「ったく、結局気を失ってんじゃねぇか」 意識の無くなった女の中に、俺は欲望を吐き出した。 美織に似ているようで、似ていない女。 快楽に弱いくせに我慢している表情が、俺を煽っていることにも気づかない馬鹿な女。 どうせ、洋介ともやることやってんだろ。 そう思うと同時に、俺の中にどす黒い感情が溢れてくる。 それは、俺のほの暗い欲望に火を灯した。 むくむくと、再び俺のものが頭をもたげる。 「俺だけに感じてろよ」 それから、何度も目の前の女を抱いた。 抱いても抱いても、物足りなかった。 どうしてかは分からない。 ただ、この女を手にすることは出来ないのだと思うと、無性に虐めてやりたくなる。 快感と被虐心で俺はどうにかなってしまいそうだった。 最後に、決して本人の前では呼ばない彼女の名前を呼んだ。 「美琴っ!」 どうせまた、目が覚めたら女は隣にはいない。 そのことにどうしようもない虚無を感じながら、俺もまた意識を手放した。
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