26人が本棚に入れています
本棚に追加
さっきからソワソワと体を左右に揺らしている。
「そうだな。壊れてたら一穂が夢を見てたってことだ」
充弘の言葉にあたしはプッと頬を膨らませたのだった。
☆☆☆
休憩時間中、あたしたち4人は古い校舎へと移動してエレベーターの前に立っていた。
「このボタンが光ったんだな?」
充弘があたしへ質問しながら、答えを待つこともなくボタンを押した。
ボタンはカチッと音を立てるが光らない。
「やっぱり、反応してないんじゃない?」
充弘の横から一穂が言う。
「そうなのかな……?」
昨日は確かに聞こえて来たエレベーターの音も、今はなにも聞こえてこなかった。
「それとも、放課後にならないと動かないとかな?」
まだ怪談話しを続けたい幸生が、わざと低い声を出して言う。
「放課後、1人の時にだけ動くんだ。エレベーターの扉が美知佳の前で開いた瞬間、中から幽霊が!!」
脅かそうとしてあたしの肩をドンッ!と叩く幸生。
でも、さすがにそんなことじゃ驚かない。
あたしは幸生を睨み返してやった。
「そんなことは起こらない。だけど、確かに光ったのになぁ」
最初のコメントを投稿しよう!