夢?

7/9
前へ
/168ページ
次へ
さっきからソワソワと体を左右に揺らしている。 「そうだな。壊れてたら一穂が夢を見てたってことだ」 充弘の言葉にあたしはプッと頬を膨らませたのだった。 ☆☆☆ 休憩時間中、あたしたち4人は古い校舎へと移動してエレベーターの前に立っていた。 「このボタンが光ったんだな?」 充弘があたしへ質問しながら、答えを待つこともなくボタンを押した。 ボタンはカチッと音を立てるが光らない。 「やっぱり、反応してないんじゃない?」 充弘の横から一穂が言う。 「そうなのかな……?」 昨日は確かに聞こえて来たエレベーターの音も、今はなにも聞こえてこなかった。 「それとも、放課後にならないと動かないとかな?」 まだ怪談話しを続けたい幸生が、わざと低い声を出して言う。 「放課後、1人の時にだけ動くんだ。エレベーターの扉が美知佳の前で開いた瞬間、中から幽霊が!!」 脅かそうとしてあたしの肩をドンッ!と叩く幸生。 でも、さすがにそんなことじゃ驚かない。 あたしは幸生を睨み返してやった。 「そんなことは起こらない。だけど、確かに光ったのになぁ」
/168ページ

最初のコメントを投稿しよう!

26人が本棚に入れています
本棚に追加