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けれど、途端に古臭くなる建物は来るものを拒んでいるように見えて、嫌な雰囲気がした。
「なにもないに決まってる」
誰もいないことで不安が加速しているだけだ。
あたしはそう思い、スッと息を吸い込んで古い校舎へと足を踏み入れた。
途端に空気が変わる。
ぬるりとした空気が肌にまとわりつくのを感じて、早足になった。
はやり古い校舎は水はけも悪いのだろう。
ジメジメとして思いたい空気のせいで足が前に出にくい感覚さえする。
湿度は確実に上がっているのに、校舎へ入った時に感じた肌寒さは続いていた。
むしろ、新しい校舎にいたときよりも寒気がひどくなってきている。
もしかして風邪でもひいた?
テスト前に寝込むわけにはいかない。
やっぱり今日は早く帰ろう。
気持ばかりが焦ってなかなか3階の教室までたどり着かない。
気が付けば息が上がり、はぁはぁと口で呼吸をしている。
どうにか1年B組の教室にたどり着いたあたしはすぐに自分の机に向かい、プリントを手にした。
よかった。
あった。
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