つぎはぎ校舎

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木工室に置かれている機械を使用する時はなにかと危険が伴うため、真っ暗な中で作業をするとは考えにくかった。 だとすれば、今の音はどこから聞こえてきたんだろう……? 考えた瞬間、嫌なものが視界に入って来て背中に汗が流れて行くのを感じた。 つぎはぎになった校舎の古い部分は、昔エレベーターが使用されていたらしい。 昔、身体的な障害を持つ子供たちを受け入れていたため、その名残があるのだ。 でも、健常者の生徒数が増えてきた今、障害者用の学校は別に設立された。 だからここのエレベーターが使われることもなくなり、完全に停止していた……はず、だった。 あたしは自分の心臓が早鐘を打ち始めるのを感じていた。 いつの間にか呼吸が浅くなっていて、酸素が足りずに苦しさを感じる。 それでもあたしの足はその場から動かなかった。 まるで、なにものかに捕まれてすごい力で下へと引っ張られているような感覚。 あたしは浅い呼吸を繰り返しながら視線だけど壁へと向けた。 薄汚れた壁の一部がへこみ、そこだけツルリとした質感に変化している。
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