夢?

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夢?

翌日はよく晴れた日だった。 あたしはぼんやりといつもの道を歩いて学校へと向かう。 「美知佳どうしたの?」 後ろから声をかけられて、ハッと息を飲んで振り向いた。 そこに立っていたのはクラスメートの谷田一穂(タニダ カズホ)で、あたしは大きく息を吐きだした。 一穂は艶やかな黒髪をポニーテールにし、それを揺らしながらあたしの隣に立った。 「なんだ、一穂か」 「驚いた顔してたけど、どうかした?」 「急に後ろから声をかけてくるからだよ」 あたしはそう抗議して頬を膨らませた。 「っていうか、美知佳、なんで傘なんて持ってるの?」 一穂はあたしの右手に持たれているビニール傘を指さしてそう聞いて来た。 昨日突然の雨が降ったからだった。 あの後、悲鳴を上げて逃げ出したあたしは雨の中を走って家まで帰ってしまったのだ。 ずぶ濡れになったあたしを見てお母さんは呆れ顔をしていた。 『どうして連絡してこなかったの?』 と、質問してくるお母さんに、あたしは濁した返事しかできなかったのだった。
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