その後

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その後

「やばいな。両想いってやばいな。」 「……いつもの素晴らしい語彙力どこに置いてきちゃったの……?」 「はぁ、付き合ったはいいものの、天使すぎて、手出せないんだけど。」 「藤岡きゅん?」 「きっも、やめろよ。大人しく俺の話聞いてろ。」  ……教室に入るタイミング逃しちゃった……。委員会の集まりに行って帰ってきたら、桐生君と藤岡君しか教室に居なくて、ちょっと会話聞いちゃおっと思ったのに、失敗した。聞かなきゃ良かった……。 「むしろ、なんで付き合う前にキスできてたのか謎なんだけど。」 「……藤岡君、俺、好きな人の惚気聞きたくないんですけど……」 「黙れ、ストーカー野郎。お前が勝手に教室に入ってきたんだろーが。」 「だって!藤岡きゅんが1人でいたから!話すチャンスかなーって♡」 「いい加減、ストーカーやめろ。」 「でも、最近話しても前よりも邪険にされないから♡もしかして、俺のこと」 「俺と高崎が付き合ってるのお前しか知らないから、お前にしか思いっきり惚気聞かせられない。」 「えー!2人だけの秘密てこと!?♡」 「きっしょ。」  ……意外と仲良いよね。教室入っていいのかな……?まだ2人で話したいかな? 「というか、藤岡きゅん、もう少し手加減してくれない?」 「あ?」 「テストのこと!俺、急に全科目2位になっちゃったから親にびっくりされちゃったのー。」 「お前が頭悪いだけだろ。」 「違うよ、藤岡君が頭いいだけだよ♡にしても、急になんでやる気出したの?」 「……高崎がテスト頑張ろうねって言ったから。」 「あー、高崎君か……」 「おい、俺の天使の名前呼ぶな。穢れるだろーが。」  ……天使?そーいえば、前も天使って言ってたかも。でも、天使って……。 「なんでそんなに彼のこと……」 「お前には話さない。」 「……俺じゃダメなの?♡」 「お前と俺が釣り合うかよ。」 「えーー♡……じゃあ、高崎君の二番手でもいいよ。」 「はぁ?俺、高崎以外、虫ケラにしか見えないから。」 「まったくツンデレなんだからー♡まぁ、高崎君と別れたら、俺が付き合ってあげる♡」 「別れるわけないだろ。それに、俺、高崎以外、恋愛対象じゃない。」 「えーー♡そんなこと言わずに、今から俺と手を繋いで帰ろーよ?♡俺はいつ手出しても大丈夫だよ♡」 「さっさと一人で帰れ。」 「でも、高崎君も待ってるし♡」  ……あ、やばい、桐生君と目が合った。え……、いつから気づいてたの……?
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