324人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
その後
「やばいな。両想いってやばいな。」
「……いつもの素晴らしい語彙力どこに置いてきちゃったの……?」
「はぁ、付き合ったはいいものの、天使すぎて、手出せないんだけど。」
「藤岡きゅん?」
「きっも、やめろよ。大人しく俺の話聞いてろ。」
……教室に入るタイミング逃しちゃった……。委員会の集まりに行って帰ってきたら、桐生君と藤岡君しか教室に居なくて、ちょっと会話聞いちゃおっと思ったのに、失敗した。聞かなきゃ良かった……。
「むしろ、なんで付き合う前にキスできてたのか謎なんだけど。」
「……藤岡君、俺、好きな人の惚気聞きたくないんですけど……」
「黙れ、ストーカー野郎。お前が勝手に教室に入ってきたんだろーが。」
「だって!藤岡きゅんが1人でいたから!話すチャンスかなーって♡」
「いい加減、ストーカーやめろ。」
「でも、最近話しても前よりも邪険にされないから♡もしかして、俺のこと」
「俺と高崎が付き合ってるのお前しか知らないから、お前にしか思いっきり惚気聞かせられない。」
「えー!2人だけの秘密てこと!?♡」
「きっしょ。」
……意外と仲良いよね。教室入っていいのかな……?まだ2人で話したいかな?
「というか、藤岡きゅん、もう少し手加減してくれない?」
「あ?」
「テストのこと!俺、急に全科目2位になっちゃったから親にびっくりされちゃったのー。」
「お前が頭悪いだけだろ。」
「違うよ、藤岡君が頭いいだけだよ♡にしても、急になんでやる気出したの?」
「……高崎がテスト頑張ろうねって言ったから。」
「あー、高崎君か……」
「おい、俺の天使の名前呼ぶな。穢れるだろーが。」
……天使?そーいえば、前も天使って言ってたかも。でも、天使って……。
「なんでそんなに彼のこと……」
「お前には話さない。」
「……俺じゃダメなの?♡」
「お前と俺が釣り合うかよ。」
「えーー♡……じゃあ、高崎君の二番手でもいいよ。」
「はぁ?俺、高崎以外、虫ケラにしか見えないから。」
「まったくツンデレなんだからー♡まぁ、高崎君と別れたら、俺が付き合ってあげる♡」
「別れるわけないだろ。それに、俺、高崎以外、恋愛対象じゃない。」
「えーー♡そんなこと言わずに、今から俺と手を繋いで帰ろーよ?♡俺はいつ手出しても大丈夫だよ♡」
「さっさと一人で帰れ。」
「でも、高崎君も待ってるし♡」
……あ、やばい、桐生君と目が合った。え……、いつから気づいてたの……?
最初のコメントを投稿しよう!