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「思い当たる節があるみたいだね。」
「え、あ、」
「俺はね、彼のカリスマ性に惚れてるの。君が足引っ張っちゃダメだよ。」
「……それは」
「大体、釣り合ってないじゃん。」
「……」
やっぱり、他の人から見ても釣り合ってないよね……。中学の時とは違うから高校では隣に居れるかもとか思ったけど、そんなことないか……。やっぱり、僕は、藤岡君とは……。
「あんな完璧な人と一緒に居るべきじゃないよ。」
「……完璧じゃないよ。」
「はぁ?」
……藤岡君は完璧な人じゃない。僕と一緒で人の目を気にする人だ。人の目を気にして、自分の気持ちは押し殺して、完璧を演じてたんだ。素の藤岡君は、冗談言ったり、先生の悪口言ったり、掃除をサボって僕と雑談をするような人。それに、今、僕が曖昧な態度ばっかりとるから、不安で、たまに泣きそうな顔をしてる……。完璧じゃない。桐生君は本当の藤岡君を知らない。
「何?じゃあ、彼は完璧じゃないから、自分が傍に居ても大丈夫ですって言いたいの?」
「……それは……、でも、藤岡君は……、僕が傍に居ても、嫌がったりしない……」
「あのさ、」
バンっともの凄い音とともに、扉が勢いよく開いた。
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