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「えっ!?待って!!藤岡君は俺と」
「うるさい、黙れ。空気読め。」
「え、でも!」
「おい。俺、頭悪いやつ嫌いなんだ。何度も言わせるな。」
「……っ。」
僕は桐生君に背を向けていたため、桐生君の表情が分からなかったけど、遠ざかる足音だけが聞こえた。藤岡君は桐生君と話し始める時に、間にいる僕が邪魔だったからか、また抱きしめてきたが、桐生君との会話が終わり、また向かい合う形になるように体を離した。
「……高崎」
「あ……、ひゃい……」
か、噛んだ……。
「はは、そんなに緊張すんなよ。」
「だ、だって……」
「……高崎、俺は高崎のことめちゃくちゃ好き。高崎は?」
「え……、あ……、え、と」
僕が視線を泳がせ、返事に困っていると、藤岡君は少し背を丸め、僕と同じ視線の高さになった。せっかく高さを同じにしてくれたのだから、僕も勇気を出して、目を合わせた。
「俺たち、付き合わない?」
付き合う……。僕は……藤岡君のこと、恋愛感情で、す、好きなの、かな……。
「はは、そんなに顔赤くしといて断らないだろ?」
「えっ」
すっかり顔が赤いのを忘れていた。耳まで熱い。これってそういうことなのかな……。
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