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はじまり
「その首の何?」
今思えば、あの時から俺たちの関係は終わりに向かってた。
俺の恋人、いや、元恋人は束縛こそしないものの、周りへの牽制が異常だった。
「赤根川って大和と付き合ってるの?」
まだ元恋人と付き合ってた時に、俺の大学の友達、三浦が聞いてきた。
「まぁ…、一応付き合ってるけど…。」
「愛されてるね。すごい匂いするよ。」
自分では分からなかった。
俺はオメガで、恋人はアルファだった。大学3年の夏頃から付き合い始め、もう1年くらい交際をしている。これと言って不満を感じたことはない。むしろ、オメガのくせに可愛くない俺と付き合ってくれる恋人のことは好きだった。
「そうなの?」
「うん、なかなか…このレベルはいないよ。」
濁して言ってくれたが、正直者の三浦は顔に出ていた。異常なレベルだと。
でも、その時は深く考えていなかった。
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