花ひらくまで

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けれども、なかなか顔を見せてくれない花がありました。 たくさんの(つぼみ)が梅より大きな木についていました。 なのに、白い梅や(あか)い梅やしだれ梅が満開になっても固くて茶色いままです。 あの木の花はどんな顔なのだろう。 夕吉は、蕾が眠りから覚めるのを、いまかいまかと待ち続けました。 やがて、白い梅が散り、しだれ梅が散り、紅い梅も散りだしました。 0cd3ff2a-4e4f-4e02-8318-737a2af83d2d
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