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「んっ、やめろっ」
逃れようとする、その細い腰を抱くと、俺はさらにキスを重ねた。柔らかな薄い唇の感触が気持ちよくて、その感触を楽しむように何度もついばむ。
「やだっ、やめろ」
やめられない。
開いた口の隙間から舌をねじ込むと、ミモザの舌を吸い、逆に俺の舌を含ませた。
暴れていた力が弱くなる。
唇を離すとミモザはその黒い瞳いっぱいに涙を溜めていた。思わずその身体を解放すると、ミモザはよろけた。
「なんで、なん、なんだよ、お前……」
ミモザが口元を拭いながら言う。
ごめんという言葉が喉の奥で留まった。
潤んだ目も濡れた唇も上気した頬も全部が色っぽくて、たまらなかった。
しかも、ミモザの顔から下に目を落としていく途中、俺は気づいてしまった。
「勃ってね、それ」
ミモザのズボンは不自然に膨らんでいた。
俺が指摘してはじめてミモザは気づき、さらに顔を赤くした。
「ちっ、違う。これは、なんでもない」
「キスだけで勃ちゃった? 抜いてあげよっか」
俺は再びミモザの腰を抱き寄せると、ズボンの上から膨らみに触れた。
「やっ、やだ。だめっ」
「でも、このままじゃ収まんなくない? 自分で抜くの? これ」
ミモザのそれを指でなぞるとますます形を成していくのが分かった。
「どうする? ミモザが許可してくれるんなら、今ここで俺が抜いてあげるけど」
ミモザは迷うように揺らしていた目を硬く閉じた。
「……許可、する」
「いいの?」
「……る、さい。するなら、早くして」
「はいよ」
スマホを机に置くと、ミモザのズボンのホックを外しジッパーを下げる。するりとズボンは脱げ落ちて、棒っきれみたいな白い足が露わになる。
ぴったりと肌に密着した下着の一部が持ち上がり主張している。下着を下ろすと透明な汁が弾けた。
「先っぽもうぬるぬるじゃん」
指でつつくとミモザの身体が震えた。
指先に蜜をまとわせてゆっくり剥くと、鮮やかな桃色が現れる。男のそれを見て興奮する日がくるなんて思わなかった。
腰を引き寄せたまま手で包み込んで上下に擦ると、どんどん蜜が溢れてくる。
「んんっ、ふぅっ」
ミモザはシャツの裾をぎゅっと握り、硬く目を閉じていた。
「気持ちいい?」
声を出したくないらしい。俺を見ようともしなければ、答えもない。
っていうかこれ、俺がミモザのをしごいてあげてるだけで、一人でしてるのと状況変わらなくないか?
それは少し違う気がして、俺は腰に当てていた手をそのまま臀部の割れ目に滑らせた。
「うわっ、相変わらず柔らかい。全然指入んじゃん」
「へっ、えっ?」
ミモザが驚いたように俺を見つめるので、にっこり笑って返してやった。
「ミモザさんはこっちをいじられるのも好きでしょ。だから同時に触ってあげるね」
「あっ、やっ、やだっ、抜いて」
「つーか、ほんとになんでこんな柔らかいの? 指二本くらい余裕で入りそうなんですけど、どういうこと?」
ミモザは真っ赤になるとぶんぶん首を振った。
「知らない。知らないっ、お前に関係ないだろ」
「ふぅん、どうせまた自分でいじってたんだろ。ミモザってさ、見かけによらず本当にエッチだよね」
「違う、そんなこと、ないっ、んぁっ、だめっ」
前も後ろも触られて、ミモザの足ががくがく震える。俺の肩に必死につかまって立っていた。
「やっ、ああっ、もう、もう……」
「もうイきそうなの?」
「っつぅ」
泣くのを堪えるような顔をしたミモザは俺の手の中に白濁を吐き出した。
ミモザは俺の肩にもたれるように頭を乗せ、荒い呼吸を繰り返す。耳元でぐすぐす言ってるのは、本気で泣き出したんだろうか。
ミモザから指を引き抜くと、「ひぁっ」と小さな悲鳴があがる。俺はその軽い身体を抱き上げて机の上に押し倒した。
「あのさぁ、悪いことしてる自覚は一応あるけど、どうせだからこのまま聞くわ。ミモザのここにまた挿れたいんだけど」
ミモザはやはり泣いていた。
涙で頬を濡らしながら驚いたように目を見開く。
「ミモザ、気持ちよかったよね? 俺も気持ちよくなりたいな」
下半身がギチギチに膨らんでるのが分かる。辛かった。
ミモザの黒い瞳が揺れる。
「……いいよ」と、ためらうように放たれたその言葉だけで十分だった。
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