三学期のはじまりと回想と、

2/2
前へ
/79ページ
次へ
   ミモザは目をまん丸にして俺を凝視している。  抵抗するように腕を動かすが、なんか子供が一生懸命がんばってるくらいの力で、たいしたことない。  だから両手首を頭の上に押さえつけると、俺はミモザの尻の間に指を滑らせた。ミモザの窄みは昨日触ったせいかあっさり俺の指を呑み込む。 「ひっ、やっ、やだ」  ミモザは顔を強張らせた。  足を閉じミモザは逃れようと身体を動かしたが、俺は体重をかけて押さえ込んだ。 「やだ、なにすんだやめろ。抜いてっ」  すぐにその黒い目は涙で濡れた。今さら泣いたって遅い。  俺は指を抜くどころか、中をぐちぐちと擦ってやった。 「んっ、っつぅ、やあっ」 「いやがってても感じるもんなんだな。誰にも突っ込まれたことないってことは、ここ、もしかして自分で開発したの?」 「あっ、う……、お前には、関係、ない」 「尻で男がこんなよがるなんて知らなかった。ほんと、女みたいだよね」 「ううっ、あっ、やっ、そこ、そんなにさわらないで」 「ここ? このぐりぐりしてるとこ気持ちいいの?」 「やっ、やぁっ、あああっ」  びくんとミモザの身体が跳ねる。 「イった?」  顔を赤くし息を荒く吐き出すミモザの身体が弛緩する。ミモザが悔しそうに睨むので俺はさらに指を増やして中を拡げた。 「やだっ、もうやめて」 「気持ちいいくせに」 「うわっ、んんっ、あっ」 「またイったの? 指だけで何回イくんだよ。あー、お前ほんと、エロいね」  身体をひくつかせイき続けているのかミモザは答えない。  指が二本余裕で入るんだからもう大丈夫だろ。  俺はすっかり膨張している自身を取り出すと、ミモザの窄みに擦りつけた。 「えっ? あ……、やめ、やめて、お願い。本当に、それだけはやなんだ」  我に返ったミモザが必死に抵抗する。身体を横に捻ると、自由になった両手で窄みを覆いながら言う。 「お願い、お願い。それ以外のことだったらなんでもするから、お願い、やめて」 「いやだ、無理。俺限界だし、それ以外どうでもいいから挿れる」  ミモザの手をどかして、足を開かせるなんて造作もない。 「やだ、やだっ、初めては好きな人としたいんだ。そう決めてたんだ。お前みたいな奴となんて絶対やだ。やだっ!」 「お前さぁ、俺の名前、もしかして知らない?」 「へっ? 三輪、三輪なつめだろ」 「正解。じゃ、俺の名前呼んで」  俺はミモザに自身を挿れた。抵抗感があったのは最初だけで、ミモザの中はすんなりと俺を受け入れてくれた。  ミモザは悲鳴をあげた。でもそれはすぐに嬌声へと変わった。 「やあっ、あっ、あっ、ぬ、いて……」 「無理。気持ちいいし。痛くない?」 「……たく、ない」 「なに?」 「あっ、やっ、そんなにそこ、擦るな」 「ああこのぐりぐり? ちんこで擦ってもやっぱ気持ちいいの」 「んんんっ、やぁっ、あっ、あっ」  声を抑えようとしてでも追いつかないらしい。  ミモザの中はあったかいし、ぬるぬる柔らかくて、それなのにぎゅっとすがりついてくる。  本人の意思とは裏腹に。  嫌がってはいるけど痛くないし、なんなら気持ちいいっぽい。ミモザの腰も俺の動きに合わせるように揺れていた。  ああ、俺今、男とセックスしてる。  後ろの席の同級生相手に腰を振ってる。 「も、やめて、ほんと……、み、わ」 「やばっ」  ミモザが俺の名前を呼んだ瞬間、俺は達してしまった。  俺はミモザの処女を奪ってしまった。  事が済むとミモザは衣服を着て逃げるように家を出て行った。  一人きりになって初めて俺は、やっちまったと思った。  ひどいことをしてしまったと自覚して、冬休み明け早速ミモザに謝ろうとしたのに、逃げられて、逃げられ続けて、今に至る。
/79ページ

最初のコメントを投稿しよう!

223人が本棚に入れています
本棚に追加