夏休み

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「ふっ……、んっ、……や、うぅ……」 「可愛い~♡うさちゃん、こっち向いて。」 「んっ、ん!?……や、やだぁ………」  気持ち悪い。全部が気持ち悪い。してることも先輩も全部、受け入れられない。 「まだまだ俺のは入んないけど、最初よりは指も入るようになったね~♡いい子だね♡」  先輩が僕の頭を撫でてきたけど、もう自分のことでいっぱい過ぎて、思わず手を振り払ってしまった。でも、先輩は終始嬉しそうな顔をしていて、僕が抵抗をしても、そんな些細なことは気にならないようだった。 「……っ、うっ……、んぅ……、うぅ……、ふっ……」  涙が勝手に出てくる。酷すぎる。なんでこんなことになってるの?僕は1回もしていいなんて言ってない。なのに、なんで同意のもとみたいになってるの……。同級生の言うことなんて、無視すれば……、あ。 「せ、んぱい……、まっ、まって……、んっ!やだ……」  やってしまった。まだ録音機が動いている。全部聞かれちゃう……。やだ、絶対にやだ。先輩としてることがバレるのは、絶対に嫌だ。 「せんぱ……、」 「先輩じゃなくて、愛宕さんって呼んでよ。ね?」  先輩が僕のことを見下ろしながら、話しかけてきた。先輩は勉強を教えてくれるし、僕のことを可愛がってくれている。そう思い込みたかった。でも、今みたいに圧倒的な力の差で、僕に命令してくるし、本当に何を考えているのか分からなくて怖い。大体、なんでこんなことを……。 「うさちゃん?聞いてる?」 「んっ!……あ、……あたご、さん………」 「へへ♡可愛いねぇ♡」  先輩と一緒に居る間は、まるで奴隷になったような気持ちになる。逆らうことなんてできないし、逃げることもできない。
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