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「美味しかったね~♡」
「は、はい……。」
「じゃあ、こっち来て。」
先輩は朝と同じように自分の膝の上をポンポンと叩いた。次は向かい合って座らないといけない……。
嫌だった。
でも、するしかない。僕はゆっくりと先輩の膝に跨った。
「ふふ、可愛い~♡」
先輩は僕に強く抱きついてきた。力の強さだけで、先輩との力の差を感じる。ただ抱きつかれるだけで、恐怖感が更に強くなる。
しばらくの間、僕を揺さぶったり、頭を撫でたり、可愛いだの言ってきたけど、余鈴の音とともに体が離れていった。
「じゃあ、次は放課後だね♡」
「………はい……。」
「またね!」
午後の授業が終わる5分前にやっと解放してくれた。先輩と居ると生きた心地がしない。もし、僕のことをからかってすり寄ってきているのなら、いつか恐ろしい目に合う。だから、いつだって気が抜けない。
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