再会

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再会

「先輩!亡くなったって聞いたけど、ウソだったんですね」 悠希はうれしさに我を忘れて先輩に抱きつくと白崎は一瞬ためらうように体を引いた。 ちょっと慣れ慣れしすぎだったかも。 「ごめんなさい、亡くなったと連絡が来て落ち込んでいたら先輩が現れたから」 慌てて白崎の体から離れると白崎は優しく微笑んで「部屋に入れてもらっていい?」と言って部屋に入ってきた。 白崎は食べかけのおにぎりが置かれているのをチラリとみる。 「食欲がなくて食べられなかったけど先輩の顔を見たら元気が出ました」 と泣きはらして腫れた目で微笑んだ。 「断られるかと思っていた」 返事を聞きに来てくれたんだろうか? 「ずっと憧れていた先輩から告白してもらえて嬉しいです。あの日はびっくりして固まってしまってすぐに答えられなくてごめんなさい。先輩に会いたかったです。」 「僕も先輩が好きです」 この数日、言いたかったことや考えていたことを一気に伝えてから、最も言いたかったことを伝えると、目玉焼きが焼けそうなくらい体中が熱くなった。 長い沈黙が流れた為そっと先輩を覗き込むと困った顔をして、白崎は衝撃的な一言を放った。 「本当に死んでいるんだ。でもお盆の3日間はこっちにいられる」
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