告白

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告白

大学の夏休み前のゼミの最終日。 「赤堀くん、ちょっといいかな?」 赤堀悠希は声を掛けられて振り返ると地域経済学ゼミの先輩である白崎次哉が立っていた。 ゼミは悠希と藤野と言う男子学生が1年生、2年生が5人と3年生が3人の計10名のゼミで白崎は3年だ。 悠希は以前からこの白崎先輩に憧れていた。 ゼミの講義やディスカッションなどをする時などは、こっそり白崎を見ていたのだが、もちろん告白するという勇気はなかった。 その白崎から声を掛けられて、悠希はドキドキしながら「はい」と答え、二人で並んで歩いた。 白崎は悠希よりも10cmほど背が高く贅肉のないスッとした体型にゆるい癖っ毛に黒のセル枠眼鏡がスタイリッシュな印象を与えた。 人気のいない中庭にやってくると、白崎は真っ直ぐ悠希を見つめた。 「赤堀のことが好きだ」 「え?」 単にびっくりしただけだが、白崎は拒否されたと思ったらしく 「あ、別に今返事をしてほしいとかじゃないから。もしOKなら夏休み後に返事が欲しい、ダメなら何も言わず今までのように振る舞ってほしい」 そう早口で話すと端正な顔を少し曇らせ 「じゃあ、よい休みを」と言って行ってしまった。 ずっと憧れていた先輩が僕のことを?! びっくりしすぎて変な態度をとってしまったかも。 でも、休み明けにちゃんと話せば大丈夫だよね。 嬉しくて自然と顔がニヤけた。
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