悲愴

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悲愴

どうして! 休み明けに返事をするはずだった。 僕も好きだと伝える筈だった。 僕がすぐに返事をしたら先輩は帰省の日を変えたかもしれない あの時 後悔の波が心を打ちつける 涙が枯れるまでというが、涙は枯れないということがわかった。 悠希は時間がわからなくなるくらい泣いた 二日間は部屋から出ることもできなかった。 足元もおぼつかない状態でおにぎりとお茶を買ってコンビニからとぼとぼと部屋に戻っていく。 涙を流すのは精神的な疲労もあるが、体力的にも消耗する。 何も手につかず、おにぎりを一口頬張ったがうまく咀嚼ができない。 結局食べるのをあきらめてテーブルの上に置いた時に玄関のチャイムがなった。 すでに夜の10時を過ぎていた、こんな時間に一体誰だろう?不思議に思いながらドアを開けるとそこには死んだと聞かされた白崎が立っていた。
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