2人の時間

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「私のこと、そういう対象に見れませんか?」 「え?」 「友達に言われたんです。信太朗さんが我慢してるか、私が子供っぽいから女として見られてないか、どっちかじゃないかって」 誰だか知らないけれど、なんてことを吹き込むんだよ! やっぱり他人の入れ知恵じゃないか。 「どっちでもないって。本当に。俺のこと信じてよ」 「でも……」 「んー、じゃあ、ちょっとごめん」 そう言って、体をぎゅっと密着させる。 「わかる? 実はさっきから、ちょっと勃ってる」 朝子は驚いたように息を飲んだ。 こんなことをされるのは初めてだろうから、気持ち悪がってなければいいけど。 言葉だけじゃ伝わらない気がしたんだ。 「好きな子と抱き合ってるから、こうなるんだよ。朝子は子供なんかじゃない。俺の彼女だろ?」 「……はい」 「でもさ、こうなったからって何が何でもヤリたいってわけじゃないんだよ。まぁ、俺がもっと若かったらがっついてたかもしれないけどね」 男と女の感覚はきっと違うだろうから、理解してもらうのは難しいかもしれない。 特に朝子の周りには、まだまだギラついている野郎達もいっぱいいるだろうから、余計なことも聞かされるんだろうけれど。 「俺も30だからねー。そんなに若くないから。今の感じでゆっくり進むのが心地いいんだけど、朝子はどう? 不安になる?」 言いながら、安っぽい漫画やドラマのセリフみたいだな、と思う。 俺の日頃の態度のせいで不安になっていたから、今こうなってるんだよなぁ。 案の定、朝子は小さく頷いた。
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