ドラゴンの執事

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その朝、森の中の館は緊張に包まれていた。 「行ってきます!父上」 「おお、気をつけて行ってくるのだぞ」 「ハ~イ!」 黒髪を頭のてっぺんで二つのお団子にまとめた少女が、元気一杯に広い玄関ホールから飛び出して行く。 「行ってらっしゃいませ!お嬢様!」 玄関を出ると左右にズラリと並んだ使用人達が、一斉に頭を下げた。 「うん、頑張るね!」 少女は張り切って立派な黒塗りの箱馬車に乗り込んだ。
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