父と娘

　私達は加賀の家を突き止め家へとたどり着いた。
「博士、ここが加賀の家です」
「ホウ、意外トコジンマリトシタ家ダナ」
　加賀の家はすこし小さな一軒家で、庭には遊具が一つ置いてあった。
「博士、あれはなんですか？」
　博士を遊具の方に向け、私は質問した。
「オ前ハ知ラナクテイイ物ダ、ソンナコトヨリハヤクハイルゾ」
　博士は一蹴すると、中にはいるよう急かした。

　私は玄関の扉を蹴破ると中へと歩みを進めた。
「マリア、リビングダ」
「はい、博士」
　リビングに行くと加賀は奥さんと息子を抱きしめこちらを見ていた。
「マリアちゃん……？　ともしかして、博士……」
「久シブリダナ、加賀、今ハ結婚シテルンダナ」
「博士、あなた死んだはずじゃあ……」
　加賀は見るからに狼狽えている。
「アノ事故ダ、死ンダト思ウノハ当然ダ、シカシ私ハ生キナガラエタ、ソシテ事故ノ原因ヲ作ッタ奴ヲ探シテイル」
「加賀、オ前はアノ時、持チ場ヲ離レテイタラシイナ」
「俺が原因って言いたいんですか！？」
　加賀は驚きを隠せず、叫ぶ。
「あの時は自分の仕事は終わってたんで席を外しただけです！」
　加賀は信じて欲しいといった目で博士の目を見つめた。
「加賀、私ガオ前を信ジルと思ウカ？」
「マリア、息子ト女ヲ殺セ」