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十七歳の春
「どうしたの? 浮かない顔をしてるわね」
十七歳の春。サクラさんは約束通り、桜の開花と共に公園に戻って来ました。そしてわたしも前と同じようにサクラさんの絵のモデルをやることになりました。
しかし、桜の下に立って最初に言われたのがこの言葉でした。
「そう……ですか?」
そんなにわたしは浮かない顔をしていたのでしょうか。サクラさんはベンチの隣にわたしを招き、座らせました。
「何か悩んでることがあるの?」
「……はい」
悩みは確かにありました。でもそれは、親や友人にはなかなか言い出せないことでもありました。
「親御さんとかに言えないことでも、わたしになら話せないかしら? どんな愚痴だって聞くわよ、吐き捨てちゃいなさいよ」
サクラさんはそう言ってくれました。わたしは、ポツポツと話し始めました。
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