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ある日スナックの客らしき人が 中華料理屋に来た 偶然だったみたいだけど めぐちゃんのことを 源氏名で呼んだ彼は 人懐こい感じで めぐちゃんに話しかけていた めぐちゃんも普通に接客してるんだけど なんか距離が近い感じがして イライラする  明生が場の空気をよんでくれて助かった めぐちゃんにはこんな嫉妬みせたくない スナックではもっと近づくんだろうか?それが仕事なんだから仕方ない でもあいつならさりげなくめぐちゃんに触ったりできそうだし 明生みたいに人に甘えるのも田辺みたいに人の懐に入るのもうまそうだ 「めぐちゃん大丈夫?」お冷をつぐめぐちゃんに田辺がたずねる  「うん ありがとう」と答えるめぐちゃんは俺たちには いや俺には営業用じゃないスマイルをくれているように思ってしまう  「常連なの?」ついとげとげしてしまう 「うーん わりと顔は見せてくれるお客かな」田辺を見ると微妙な笑いを浮かべてる あぁ たぶん結構な常連だな 最悪めぐちゃん狙いだろうと 田辺の表情から察する その日は先輩と一緒だったのもあったし わりと忙しい時間帯だったのもあって あいつとめぐちゃんはそれほど接することはなかった 「そんなに気になるなら 宗ちゃんもスナック行ってみたらいいのに」田辺の言葉にはっとする やべぇ めぐちゃんを見すぎていた
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