9人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
☆
しゅんくんと会ってから 宗ちゃんの心境にわずかに変化があった気がする わずかと言ったけどそれは明生でもわかるほどだ
いつまでもどっちつかずのままにしておいたらだめだってわかったのかも めぐちゃんの態度見てたら 俺なら100%いけると思うのに 宗ちゃんは慎重派だなぁと改めて思う
で ある日突然その日がきた
その日はスナックお休みだからめぐちゃんは夜 中華料理屋に入っていた 給料日前だからか客入りも少なくて 俺と宗ちゃんはカウンターで奥さんとめぐちゃんを構っていた
入り口が開いてお客が入ってくる
「いらっしゃいませ」めぐちゃんが営業用の声と笑顔を向ける
「こんばんは」入ってきたのはしゅんくんだった 少し酔っているようだ
「今日お店休みだから こっち来たら会えるかなぁって」おいおい おまえ急に垣根取っ払ってきたなぁ
「どうぞ」テーブル席に案内しようとしためぐちゃんを手で征して
「ここで」とカウンターに座る 俺らと2つ席を開けて腰をおろすと すぐにビールと餃子を頼む
「あれ?スナックに来てるお兄さんだよね?」やべぇ 気付かれた
「ども」とりあえず頭下げる 横の宗ちゃんを見ると臨戦態勢だ
「はい ビールです」と奥さんがカウンターにビールとお通しをおく
「俺ももう一杯もらおうかな」珍しく宗ちゃんも生ビールをおかわりする
最初のコメントを投稿しよう!