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突然のキスに頭が真っ白になる でも すぐそばに感じる宗くんの息遣いとか体温とか 匂いはしっかりわかる ちゃっかり宗くんの舌を受け入れる自分に恥ずかしくなる こんな時もしたたかに“遠慮がち”を装う私の体に怖くなる でも初めてキスしたわけじゃないのに宗くんの唇に舌に夢中になってる自分に驚く  ふと気づくと 宗くんの左手が私の胸を探り当てる  「あっ ん…」思わず声が漏れてしまう 恥ずかしいくらい甘い声だった それに宗くんが反応して 離れてしまう ヤバい 引かれた? でも 離れた体や それに残る感触が寂しくて 内心『もっと』と思ってしまう 謝る宗くんに また悲しくなって ねだるようなすがるような気持ちでみあげてしまった  何か言わなきゃと思う私に 宗くんは 「送ってく」と言った 私なんか失敗したかな?とおもったけど そうでもなかった 帰り道 私の家まで宗くんは無言で手を繋いでくれた 嬉しくてずっとにやけながら宗くんの少し後ろを 宗くんの手に包まれたその手を見ながら歩いた 家のドアの前 「あの ありがとう」 「うん」なんとなく離れがたくてゆっくりと滑らすように手を離す すると宗くんは私のおでこに 優しく唇を当てて 「おやすみ また明日ね」 と笑ってくれた 宗くんを見送り 家に入り鍵をかけた 果てしなく甘い気持ちだ これって両思いということでいいんだよね? お風呂にはいって唇に 胸に おでこに 宗くんの感触を思い出す いや やばいなぁ  宗くんへの気持ちが半端ない ちょっとセーブしないとがっついて ヤバい女だと思われたくない その日は宗くんへの思いを抱きしめながらゆっくり眠れた
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