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ママからLINEがきた 『今日はお茶引きそう』 はいはい 飲みに行きますよ 「いらっしゃ…あぁベーくん」 ママは知らない女の子と向かい合ってボックス席に座っていた  「じゃあ また連絡しますね」 ママは女の子にそう言うと 女の子は俺にも頭を下げて出ていった カウンターに座ると おしぼりを渡しながら 「面接よ」とママはいった 「え?」 「まみちゃん やめちゃうんだって」 へぇ  「まぁ そうなるとはおもってたんだけどね」ママはビールを出して 図々しく 自分のぶんのグラスもだす 「泣きながらやめたいなんていうのよ あぁ悩んでくれたんだなぁ と思わざるをえないわよ」ママとめぐちゃんの間にどんな関係があるのかはわからないけど ママはなんだか幸せそうな顔に見える 「まぁ 私たちの縁が切れるわけじゃないし それだけ惚れた男に会えたこともその男に振り向いてもらえたことも よかったよね」自分に言い聞かせるように言ってから 強引に俺に乾杯を求める カチンっ グラスが合わさる音がママの気持ちを表すように心地いい 「まぁ ママには俺がいるじゃん?」 「そんな小さい器じゃねぇ」ママはニヤニヤしてる 「今度宗ちゃん…まみちゃんの彼氏も連れて飲みにくるよ 俺だけいじめられるんじゃやだしぃ」 「そうね 私のまみちゃんを奪った代償を払ってもらわないとね」 これは高くつきそうだ 
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