窮地

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「ごめん言うなら、やることやって!あたしはあんたを置いてここを出るつもりはない。ええからさっさとして」 ハッキリとそう言い切ると、ぐっと唇を噛み締めて、あたしの手を縛る紐を解く。 「あ、緩めるだけでいい。力入れたら解けるようにしといて。こんな子供騙し効くかわからんけど、縛られてると油断してくれればありがたい」 小細工が通用するか知らん。 水瀬がどんなやつかも分からへん。 ただスコーピオンってことは分かってる。 なににしろ、クズや 「一応、あたしと敵の振りしとき」 これだけは、徹底せなあかん。 「もうあたし…こんな事したくない。ただ杏ちゃんをちょっと水瀬に会わせたら、サトルに会わせてくれるって。 こんな酷いことするのも知らなかったし、後に戻れなくて…どうすることもできなくて…」 はぁ 「わかったから。でも敵のフリして。お願いやから。自分の身は守ってほしい。あたしは、自分の身は自分で守れるから」 だから… まだ仲間やと思わせとかな…紗羅ちゃんは、ほんまに水瀬からして、用済みになってしまう。 会話が終わるのを待っていたかのように、水瀬は二人の男と部屋に入ってきた。 …どうするかやな 「さて。時間もないからさ?烈火の奴らが近くまで来てる。さっさと事を済ませたい」 あー忙しい忙しい。そう水瀬は笑った。 こいつほんまに…絶対ブン殴る! 「とりあえず、あんたのしたい事が分からへんし聞いてあげるけどさ、やっぱりこの女、違う部屋にやってくれへん?裏切られて助けても、反抗してきたし、同じ部屋にいるのは無理やわ。サシで話そ」 誰かを守りながらの余裕はないから。 紗羅ちゃんはこの部屋にいんといて欲しい。 紗羅ちゃんは、え?と驚いているが、無視 「そうだな。聞かれたくない話もあるんで…紗羅を別部屋に連れてって」 水瀬は隣にいる男2人に指示して、紗羅ちゃんは抱えられるように部屋を出た。 よし これで 「ようやく2人になれたな」 どんな理由であれ、何が目的であれ…… 情報吐かせてここを出るのはあたしや! 「ほんと、こんな女の何がいいのか、さっぱりですね」
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