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口の中切れた
痛い
でももっと、心が痛い。
そしてここから、水瀬の本当の目的を知ることになる。
水瀬は、あたしの上にまたがったまま。
上から見下ろされる事に吐き気がする。
そして片手であたしの両手を掴み、あたしは身動き取れない状態。
いや…本気を出せば抜けれる。
けどみんなに何かあったらと思うと、何もできない。
「さーてと?少しむかついたんで遊んでいいですか?」
「……」
「あんたに絞められた首が痛む。俺の目的は、精神的、肉体的にあんたを痛めつけてボロボロにすること。サトルがあんたから興味を無くすくらいにね」
わりともう、ボロボロやねんけどな。
必死やねんけどな。こうやって生きてることが。
「サトルは、あんたの反抗的な態度、強さ、美しさが好きみたいだ。きっと俺の手がついて、ボロボロになったあんたには、興味は湧かない」
そしてようやくあたしは水瀬が言ってることの意味がわかった。
「あたしを犯せば、サトルはあたしから興味を無くすって?」
そういうことか。
「察しがよくて助かるよ」
そう笑い、水瀬は携帯を手にする。
大丈夫
こんな世界にいるから。
男だらけの世界でこうなることもあり得ると、昔から心はしてた。
何があっても、自分の選んだ道やから。
「ヤりたいならさっさとすれば?抵抗する気もないし」
好きにすればいい。
それでサトルが興味を無くすなら、こっちも願ったり叶ったりや。
「強情な女。嫌がってくれないとこっちも萎えるんだけど」
「こっちは元から萎えてるねん。それでもヤりたいなら、ヤってええって言ってるんやし、さっさとすれば?」
心を無にすることなんて簡単やから。
「身体は奪われても心は奪われないってか?ほんと、お前みたいな女、大嫌い」
そう言って水瀬はあたしの首元に顔を埋めた。
あーあ
みんなのことが心配やな。
でも、ほんまに巻き込みたくなかった。
短い間やったけど、あたしはすごい楽しかったし、このままこいつらに連れて行かれればサトルに辿り着けると思う。
そうなればもう…
あたしに失うものはないから大丈夫。
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