窮地

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「泣き喚くか、喘ぐか、どっちか反応ないと、楽しくないなぁ」 ふん 知らんわ、あたしは楽しくないし。 まだ特に触られてもないし、ほんま無になれる。 やっぱりこれじゃ楽しくないや。 そうもう一度言いあたしから少し離れて話出した。 「紗羅が、お前と繋がってるって知った時、びっくりしたよ。使えない女だと思ってたら、まさかこんなに役に立つなんて思わなかった。 あいつな?サトルがどんなやつか知らないんだよ。孤児院が一緒だか知らないが、紗羅はサトルをちょっとヤンチャに育ったくらいにしか思ってない。 馬鹿だよな? サトルは、お前にご熱心で、他に女もいっぱいいて、紗羅はそれに妬いてる。 それで、あんたがサトルを悪い道に引き摺り込んだって紗羅に教えたら、馬鹿にみたいに信じやがった。恋愛に命かけるって、ほんと馬鹿だよ」 水瀬はそう吐き捨てた。 あたしも恋愛はよく分からへんけど、仲間のために命張るってことは、よく分かるから。紗羅ちゃんの気持ちが分からないわけでもない 「あたしにとってサトルは殺してやりたい存在やけど、紗羅ちゃんにとっては大事な存在やったってことや。別におかしい話ちゃう」 お前が嘘ついて、紗羅ちゃんをコントロールしてたのは、許せへんけど。 あの子の心の弱さも原因やし、あたしがどうこう言う事ではないんやけどさ? 「あんまり、人の気持ちを、なめるなよ」 「そんな怖い顔すんなよ。なめてない。紗羅のサトルを好きな気持ちも、サトルがお前を欲してる気持ちも、すごいと思うよ」 嘘ばっかり こいつはサトルと昔みたいに暴れたいと言っていた。根っからのクズなんやろうな。 「あんたは、サトルがなんであたしに執着してるか知ってるん?」 あたしの欲しい答え。 なぜ執着されて、なぜ…ここまでされなきゃいけないのかを知りたい。 少しうーんと悩んだ後に笑顔で告げる。 「あんたから俺を欲しいって言えば教えてあげるよ?」 そう言われる。 ……別にヤるくらいええよ。たださ 自分のプライドはある。 「それは死んでも言わん」 笑顔で返してやると、うぜぇ。そう笑って携帯に手をかけた。
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