窮地

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「紗羅を連れてこい」 ??? 紗羅ちゃん?せっかくこの部屋から出したっていうのに。 「なんだ?不安そうな顔して」 ニヤニヤ笑う顔を反射的に殴ろうとしてしまうが、組み敷かれているため、手は水瀬の顔に届かない。 「無力だな。薔薇の総長も、ただの女だ」 「うっさい」 そしてすぐに紗羅ちゃんは男2人に引きずられるように、部屋に連れてこられた。 傷は増えてないけど… 涙はずっと流れている。 紗羅ちゃん連れてきてどうするん? 「杏ちゃん…」 悲しそうに呟く紗羅ちゃんは、男2人に突き飛ばされて、床に倒れる 「ちょ!待ちぃや!」 駆け寄ろうにも、押さえつけられて動けない。 そんなあたしの様子を見て、水瀬は笑った。 「そーそー。こうでなくっちゃ。嫌がったりしてくれないとさ?楽しくないって言ってんだろ?」 「いっぺん死んでこい!悪趣味すぎる!」 使えそうな右足を動かして、水瀬の横腹に膝をいれると、動きが止まった。 紗羅ちゃんのそばに居た男は、水瀬さん!と声を出して駆け寄ってくる。 その2人をまとめて床に沈める。 「くっ…」 「用があるのは、あたしやろ?他の人に手ぇださんといて」 横腹を抑える水瀬は鬼のような顔をしていた。 何を迷っていたんやろ。 こいつら全員倒して逃げればいい。 泉達のところにいる男も倒せばいい。 サトルに近づくために、みんなのためにと思ってここに残ろうとしたけど… 「やっぱお前ら、ムカつくわ」 黙ってやられるのは、こっちのプライドが許さへん。 でも水瀬は笑った。 「あーあ。面白い。サトルが欲しがるのがわかるかもしれないな」 フラッと立ち上がり一言 『ヤれ』 その言葉とともに部屋に数名なだれ込んできて、紗羅ちゃんを捕らえる。 こうなることを、分かっていたかのように… 「今からお前の前で、この女を犯してやるよ。妹の鈴が、お前の前で犯されたようにな」 その言葉は、あたしの理性を飛ばすのに充分だった。 腕を振り、水瀬の胸ぐらをつかみ、顎を蹴り上げる。 加減なんて、してない 「きゃあ!!」 その高い声に我に返り振り返ると、男達は紗羅ちゃんの服を破いた。 駆け寄ろうとしたが、身体は動かない。
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