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「お前が抵抗するたび、紗羅は酷いことされるぞ?お前はそれを見ておけ。自分がされるよりも、精神的にくるだろう」
むくりと起き上がる水瀬
こいつ
強いんかな
気絶せんやん。本気でやったのに。
このままじゃまた
誰も助けれへん
「わかったから…」
もうやめてよ。
紗羅ちゃんの泣き叫ぶ声は、あの日の鈴の声と重なった。
「あたしの負けや!!やからもう…やめて」
悔しい
無力や
あたしは昔からずっと…無力や。
水瀬は男達に、やめろと指示を出す。
紗羅ちゃんから男は離れた。
涙でぐちゃぐちゃの紗羅ちゃんは、服を抱きしめて泣いていた。
「ごめん…」
あたしの姿を見て、水瀬は高笑いをしている。最高だと。今の悔しい顔が最高だと笑った。
死ねばいいこんな奴ら
紗羅ちゃんがおらんかったらあたしは、こいつらをどうしてたやろうか。
躊躇いもなかったやろうな。
「よし。負けを認めたんだ。今から俺がお前を犯す。それを動画に撮るんだよ。サトルに見せればさ?お前に興味を無くすと思うんだ」
目が少し逝ってる水瀬は、楽しそうにカメラを用意している。
もうどうでもいい
ただ一つだけ
「なぁ、泉達にさ、伝えてくれへん?帰ってくれって。あたしは大丈夫って伝えて欲しい。それで、約束通り烈火には手ぇださんといて」
これだけは譲れへん。
「うん。いいよ?俺の目的はあんただから。烈火は興味ないし。さっきからあんたの携帯にずっと電話がかかってきてるから、出るよ。それで自分の口からお別れでも言ったら?それくらい話していいよ」
なんやそれ
そっちのほうが酷やのに。
でも最後に泉の声聞きたいな。
きっとこれが終わってもあたしは逃げれへん。
わかるねん。
サトルはこんなんじゃあたしを解放してくれへん。だからこそサトルに繋がる。
これをチャンスと捉える。
水瀬と繋がりを持ち続ければサトルに必ず繋がるから。
もう終わらせたいねん。
烈火があたしから離れれば失うものはないし、思う存分できる。
志木は…怒るやろうけど、志木の心配はしてない。強いし大丈夫。
どんなあたしでも受け入れてくれるから。
「もう、あんたの好きなようにしてええよ」
あたしは自らカメラがセッティングされた、ベッドに身体を沈める。
もしこのカメラで何かを撮られたとしても、志木がいればどんなデータも抹消できる。だから…大丈夫。
あたしが蹴り上げたときに、口元が切れたのか。水瀬は口から流れる血をペロリとなめて、笑顔であたしの上に乗る。
あたしは
強い。大丈夫
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