窮地

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「ごめん、でも仕方ないから恨まないでね」 は?ほんまどいつもこいつも… 目があった瞬間少し悲しそうな顔をされた。そんな顔するなら初めからこんな事すんなよ。 「後悔するで」 電気が体の神経を支配して、身体はなに一つ動かせない。 今すぐぶん殴ってやりたいけど、無力とはこういうことを言う。 でも、これがどんな目的か分からへんけど穏便に済ませへんかった事を、後悔させてやる。 「…せいぜい今の内に、余裕ぶっこいとけ」 意識が途切れそうになるその前に、身体中に残ってる力を振り絞る。 震える手で、男達と紗羅ちゃんの前に、中指を立てる。 「こっちも、宣戦布告や…」 そう言った、瞬間なにか頭に被せられて視界までも支配された…… ------ 「おい、紗羅!こんなやばそうな女だって聞いてないぞ」 「あたしだって…普通の女だと思ってたわよ!でもこっちは男4人にあたしもいるし、水瀬も来てるんでしょ?怖がることはない」 「水瀬さんは、小屋でまってる。本当にこの女が、水瀬さんが言ってた女?」 「そーよ!間違いない。いいから、早く水瀬のところに行くわよ!烈火がこの子のことすぐ探しにくるから!」 「わかった。水瀬さんには電話をいれておく」 みなせ??? 誰やったっけ… 頭もハッキリとしないし、思考もパッとしない。ただ水瀬という名前。 あたしはそれを知ってるかもしれない。 ただもう、疲れた あーあ こんな居心地の悪い胸糞悪いお姫様抱っこ、吐き気がするわ。 泉のお姫様抱っこと全然違う。 こいつらほんま、全員残らず潰す。 だる… ここであたしの意識は途切れた。 こんな人生送ってきてるけど、スタンガン当てられたん、まじで初めてやねんけど。 こんな訳のわからん初体験いらんねん… -----
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