愛交遊戯

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「僕はね、今日ばかしは君に判断を委ねようと思っている。僕を受け入れてくれるのならば、君の方から来て欲しいのだが……」  そう言って、僕は天宮くんの濡れた瞳を見つめる。たとえ断られたとしても、僕は諦めるつもりなど毛頭なかった。 「僕は……以前までは、貴方に密かに尊敬の念を抱いていたのです」  天宮くんが目元を赤らめ、唇を小さく動かした。 「どうしてだい?」  僕は驚いて呆気に取られる。人に頓着しない彼がそんな事を言い出すなど、予想だにしていなかった。 「貴方の話題は、僕の学部でも有名でした。同人雑誌に載っていましたから……そんなすごい人が、僕の隣の部屋で寝起きをしていると思うと、少しだけ鼻持ち高かったのです」  そう言えば最初の頃、天宮くんが僕の名前を知っていたのは、一部の学生が発行していた同人誌に掲載されいたからだと言っていた。 「初めて貴方に話しかけられ、腕を取られた時……僕は凄く驚いたのです。だから貴方が僕と遊戯がしたいと言った時は正直、嬉しくなかったわけじゃないのです。ただ――」  天宮くんが険しい表情で、黙り込んでしまう。躊躇うような素振りに、僕は先を促すように天宮くんの髪を指で梳いていく。 「最近の貴方の行動には納得がいかない事が、多々あるのです。貴方は何かにつけて、僕が望んでいると仰っていますが、貴方は自分が楽しんでいるのを僕の責任にしているようにしているようにしか思えないのです……だから、もう遊戯をやめたいと言おうと……」 「正気かい?」  僕は驚いて天宮くんの肩を掴むと、顔を覗き込む。激しい憤りと焦燥感に、少々取り乱してしまう。天宮くんは僕の豹変した様子に、目を見開いて体を強張らせた。
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