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では、あなたに、この布を与えましょう。
「これは…?」
手渡された布は風呂敷のような四角い布
真ん中に「金」の文字が染め抜いてある。
ちょうど子供の前掛けのような大きさに見える。
「そちらは”金時”の継承布。次の満月までに8枚全てを集めることで”金時”の資格を得られます」
「集める?どうやって?」
「ご心配なさらずとも、もうすでに全員、こちらの足柄山にいらっしゃいます」
「全員いる?」
「はい、この布を持っている者から奪い取ってください」
「どうやって?」
「手段は問いません、次の満月の日に8枚全て持っていること。
これ以外に条件はございません。」
「例えば力ずくで奪い取る…とか?」
「はい、奪い取っても盗み取っても騙し取っても構いません。ご自由に」
「では、私の役目はここまでです。ごきげんよう」
「おい、ちょっと待て!」
桃太郎は自分の声で目を覚ました。
ただの夢か…
おかしな夢を見たものだと手を見ると、夢の中で手渡された布を握りしめていた。
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