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そして、太郎は「金時の力」を得るために
三人の刺客と戦い、勝ち残り三枚の布を得ていた。
そして、最後の満月の晩。
以前「クマ」と名乗った男と四人目の刺客が現れた。
四人目の男は「サスケ」と名乗った。
クマの話によると「金時の力」を得る候補は2人まで絞られたらしい。
そのため直接の対決をもって決着とするとのことだった。
「貴様が最後の男か、名をなんという?」
「太郎だ」
「太郎か、良い名だ」
サスケは問う。
「太郎、お前は何を手に入れたい?」
「俺は…失ったすべての物を取り戻したい!」
「全てを取り戻したいとは強欲だな。相手にとって不足はないな。」
「いざ!参る!」
立ち会い当初サスケと太郎の実力は拮抗しているように思えた。
しかし、徐々に太郎が押していく
やはり、かつて鬼を倒した力は健在である。
サスケはつぶやく
「チクショウ、こんなところで終わってしまうのか。出世して国の両親や兄弟にも楽をさせてやりたかったぜ」
「出世とはなんだ?」
「何って”金時の力”だろう?」
「”金時の力”とはなんなのだ?」
「ちょっとまて。お前は”金時の力”を知らずに戦っているのか?」
「しらん!」
「クマさん。こいつに説明してないのか?」
「おや?”金時の力”についてご存じない?」
「お前が”全てを叶える力”だと言っていた」
「”金時の力”というのは”金時山で行われる力自慢”のことなのですが…」
「力自慢?なんでそんなことを…?」
「おやおや?本当になにもご存知でない?」
「だから知らんと言っている」
「”金時山の力自慢”とは、とある御方から都の警備を行うための強者を集めるための選抜会です」
「”全てを叶える力”と言っていたのは?」
「都で、偉い人に召し抱えられれば出世して、何もかも叶うじゃないですか?」
「そんなことなのか……」
構えを解く太郎。
「サスケと言ったか?」
「おう?」
「これをやる!」
太郎は集めた3枚の布と自分の持っていた布を投げ渡した。
「おいおい、いいのかよ?」
「いらん!そんなものに価値はない」
「オイ、クマ!これいいのか…?」
「良いんじゃないでしょうか。とにかく全ての布を集めたわけですし。なんにしろ、おめでとうございます。」
「なんだかわからんが俺が勝ち残ったんだな!やったぜ!」
その後、サスケは都に出て、さる御方に謁見することになる。
「よくぞ参った。お主は名をなんと申す?」
「私の名はサスケと申します。しかし、名を改めたいと思います」
「して、名をなんと改める?」
「金時山で出会った強者”太郎”に、ちなんで”金太郎”と」
「よかろう、金太郎。励むのじゃぞ」
「ははぁ!」
金太郎は、後に”坂田の金時”と呼ばれることになる。
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