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太郎は失意のもと、どこを彷徨ったのかわからぬまま浜辺に来ていた。
そこでは子供たちが集まって何やら騒いでいた。
見ると大きな亀を叩いている。
「どうして亀を叩いている?」
「この亀が漁をする編みにかかって破いてしまったんだ」
亀を気の毒に思い子供たちを説得し開放してやる。
子供たちが去ったあと、なんと亀が話しかけてきた。
救ってくれた例に上に乗ってほしいという
促されるままに上に乗ると竜宮城という場所へ行くという。
竜宮城では、亀からいきさつを聞いた乙姫から歓迎を受ける
しかし、太郎は今までのことを思い出し、いつも酒を浴びるように飲み酔いつぶれてしまうのだった。
酔いつぶれた太郎は毎回「自分の犯した罪と過去を変えることはできないのだろうか…」とうわ言のように言うのだった。
そして、月日はたち太郎は地上に戻る日になった。
その際に乙姫はあるものを渡す。
「これは竜宮城に伝わる秘宝の”玉手箱”と言います。もし、よければお役に立ててください」
箱を受け取り太郎は地上に戻っていく。
浜に戻った太郎はさっそく”玉手箱”を開けてみる
箱からは白煙があがり、辺りは煙に包まれる
気がつくと太郎は見知らぬ家にいた。
どうやら煙に包まれたあとで浜に倒れていたところを
近くに住む”おしの”という娘に助けられたらしい。
介抱の甲斐もあり、太郎の具合はみるみる回復したが老人のように真っ白になった髪はついにもとに戻ることはなかった。
漁の手伝いをするうちに恋に落ち二人は夫婦となり暮らし始めた。
その土地を浦島と言う。
二人に子供はできなかったが慎ましく穏やかに暮らして行った。
しかし、ある時、おしのは流行り病に倒れてしまう。
医者にもサジを投げられ「もはやこれまでか」と思った矢先にある噂を耳にする。
それは、浦島の沖に鬼が住む島があり、そこには万病を治すという”桃”があるという。
太郎は藁にもすがる思いで島に渡り、鬼のもとから桃を奪い取ることに成功する。
しかし、鬼の個を人質に命からがら島を脱出する。
持ち帰った桃の効果により、おしのは回復するが困ったのは、連れ出してきた鬼の子であった。
子のない、夫婦である二人は考えた末に鬼の子を育てることにした。
名は持ち帰った桃にちなんで、おしのが”桃太郎”と名付けた。
その後、桃太郎はスクスクと育ち「人々を苦しめる鬼を退治しに行く」といい出した。
そして、太郎は全てを悟るのであった。
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