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悠斗は、そんな私を見て、クスッと笑うと、私と同じ歩幅で歩き始めた。
そして、私の顔を覗き込んで、優しい笑みを浮かべた。
「悠音、かわいい♪♪ 顔、すげぇ、真っ赤だし!!
手…繋いでいいよね!! 繋ぐからね!!」
悠斗は、そう言って、無邪気な笑顔を見せると、 私の手を、そっと握りしめた。
私は、その途端、更に、顔を真っ赤にして、俯いた。
「だっ…誰も…手…繋いでいいなんて言って…ない…。」
私が、そう言うと、悠斗は、優しく笑って、私の顔をじっと見つめた。
「悠音の、そういう素直じゃないとこ、可愛くて好きだよ!!」
悠斗は、そう言って、私の頬に、そっとキスをした。
私は、驚いて、悠斗をじっと見つめた。
悠斗は、そんな私を見て、嬉しそうに笑っていた。
“悠斗と、最後に手を繋いだのは、小学校3年生の頃だったかな…。
それくらいから、悠斗は、あんまり話をしてくれなくなって…
学校で会っても、目も合わせてくれなかった。
中学に入ってからは、悠斗が、どんどんカッコ良くなって、人気者になって、
隣の家に住んでるはずなのに、ほとんど、会うこともなくなった…。
でも、中1の終わりに、悠斗が、急に、『朝、毎 日、起こしに来て!!』って言うから、その頃から、また、話すようになった。”
私は、昔のことを思い出しながら、嬉しそうに手を繋ぎ、私の横で歩いてる悠斗を、じっと見つめた。
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