高1、春……。~恋の予感~

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真っ赤になった顔を隠したくて無我夢中で走っていた私…。 なのに…気がついたら、悠斗が、私のすぐ横を走ってた。 「えっ…!?何で? 昔から、足が遅かったのに…。」 私は、驚いた顔で、悠斗を見つめながら、立ち止まった。 「俺は…悠音に…置いてかれるのが…嫌だから…必死に走っただけだよ…。 俺だって…いつまでも…足が遅くて、頼りない男の子のままじゃないんだからな…!! 悠音に、何かあったら…俺が…絶対、守ってやるから…俺から、離れてくなよ…!!」 息を切らしながら、悠斗が、言った。 私は、ただ、恥ずかしくて逃げただけなのに、そこまで、必死になってる悠斗を見て、胸が、 きゅーん…となった。 「…わけわかんない…。 別に…悠斗になんて、守ってもらわなくても、大丈夫なんだから…。」 そう言って、また、悠斗を置いて歩き出した私を、悠斗が、急に、壁際に押し付け、抱き締められた。
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