陽翔君

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陽翔君

 私は教室前の廊下の壁を背にして、前に立つ背の高い男の子を見上げていた。 「あの……陽翔(はると)君……」  彼は見たことのない、真剣な眼差しを向けている。 「なあ、奈津美……。俺と付き合わないか?」 「嘘……? えっ?」  その瞬間、彼の両腕が私の身体を抱きしめた。
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