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その後僕たちは激しい交わりと、穏やかな会話を繰り返し、本能のまま相手を求めた。 本当にアルファとオメガほど動物に近い存在はないと思う。 発情期の僕たちは、ただただ子孫を残すという本能のみに囚われる。 何度も穿たれ、精を流し込まれ、それが流れたとわかると再び求め、精を欲する。 そうして過ごした4日目の朝、僕の発情期は終わった。 僕の中の疼きはなくなり、身体も心もスッキリしていた。 「終わってしまいましたね」 名残惜しそうに、葵くんは後ろから抱えていた僕のうなじに鼻を擦り付けた。 匂いで分かったらしい。 「やっぱり早かったね」 だいたい番と過ごす発情期は5日くらいだと聞いていた。今回は早く終わる方法を選んだので丸3日で終わってしまった。 一人の時は1週間かかってたから、それに比べるとかなり早い終わりとなった。 内容はものすごく濃かったけどね。 そして発情期が終わった途端、湊のことを思い出す。 オメガって薄情だ。 発情期中は番のアルファのことで頭がいっぱいになって、子どものことを忘れちゃうんだから。 そんな自分に自己嫌悪をしていると、『動物だから仕方ありません』と葵くんが言ってくれた。 動物の世界では当たり前のことらしい。 とは言え、発情期が終わって親に戻った僕たちは急激に湊が恋しくなり、母に連絡を入れた。 なのに母は・・・。 「え?もう迎えに来るの?早いわよ〜。今日1日くらいまともに2人で過ごして、明日いらっしゃい」 と言って電話を切られてしまった。 え? ええ? 僕は切られたスマホを呆然と見てしまった。 「・・・とりあえず、大量の洗濯物をやっつけてしまいましょう」 電話の内容が聞こえていたらしい葵くんは苦笑いをしながらそう言うと、ベッドを降りて朝の支度を始めた。 そうだね。早く通常運転に戻して湊を迎えにいこう。 僕もベッドから出ると着替えをして、朝ごはんの支度に取り掛かった。 冷凍庫の中から適当に見繕って朝食を用意する間、葵くんが洗濯機を回してくれる。 とその時、葵くんがゴホゴホと咳をした。 あれ? 「調子悪い?風邪ひいちゃった?」 発情期中はほとんど衣服も身につけず、ずっと薄着でいたから風邪ひいちゃったかな? 「いえ、風邪というか・・・なんだか喉がいがらっぽいです。引っかかるというか・・・」 僕は心配になって葵くんの所まで行った。おでこで熱を見ようと思って。 洗面所から出てきた葵くんの前に立って手をおでこに当てようと思って、気がついた。目線が、高い。 あれ? 葵くんはまだ僕より背が低く、目を合わせて話そうとすると僕の視線は下を向いていたはずなのに、今は若干上向き・・・。 僕と向かい合って葵くんも気づいたらしい。 「やっぱり背が伸びてましたか」 やっぱり? 「奏さんと初めて会った時もそうだったんです。そのときも身長がグッと伸びて・・・。昨日あたりから膝とか痛かったんでもしかしたらとは思ってましたが、今回は結構伸びましたね」 僕を見ながら高さを確認している葵くんはうれしそうだ。 「僕より大きくなっちゃったね」 あんまりにもうれしそうなのがかわいくて、そう言ってあげるとさらにうれしそうに笑った。 かわいい。 あんまりにもかわいくて、僕はぱふっと抱きついた。 こうやって立ったまま抱きつくと、さらに成長の大きさが分かる。
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