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でも、葵くんが僕の発情期を気にしている気持ちも分かる。実は僕だってその時はずっと葵くんといたい。なぜなら、この発情期は僕たちにとって2度目となるからだ。 ちょうど1年前の今頃、僕たちは出会い、結ばれ、湊を授かった。だからその後は湊を身ごもった僕に発情期は訪れず、夜の営みも通常のものだけだった。 だから、次の発情期は僕たちにとっては特別なもの。だって、お互いに相手を意識して迎えることが出来るんだから。 僕たちの初めてはお互いに相手を知らないまま本能に突き動かされたものだった。言葉も交わさず、愛撫もなく、ただ種付けするためだけのケモノのような交わり。 それ自体に後悔はなく、むしろそこまで思ってくれて行動してくれた葵くんに感謝してるけど、なんて言うか、情緒というかなんというか・・・。 それは葵くんも思っているらしく、次の発情期は絶対に一緒に過ごし、なんなら最初からやり直したいと思っているみたいだ。 なんて葵くんとの初めてを思い出していたら、後ろがキュンとなった。見ると葵くんの目元も艶を帯びている。 「あの・・・すぐ済ませるので、いいですか?」 ぶわっと香るグレープフルーツの濃厚な香り。僕からも出てるのかな? 素早く片付けられたダイニングテーブルにうつ伏せに倒されると僕のズボンが下着ごと下ろされ、直ぐに指が挿れられた。 「あ・・・っ・・・」 すでに濡れているそこは容易に指を受け入れ、広げられていく。それだけで硬く勃ち上がった僕のものに器用に片手でゴムを被せると、後ろから指が抜かれて熱いものがあてがわれる。 「あ・・・あぁ・・・」 ゆっくりと入ってくる熱い昂りにゾクゾクとした快感が背筋を這い上がってくる。まだ頭の片隅にある理性が湊を確認する。ご機嫌に遊んでいた湊はいつのまにか眠ってしまっていた。それに安心するといきなり根元まで一気に挿れられた。 「あっ・・・っ」 突然全てを収めた葵くんは今度はゆっくり抜いていく。そしてまた勢いよく挿入ってくる。それは次第にスピードを増しながら腰を打ち付け、暖かな陽射しの入るリビングに似つかわしくないかわいた音を立てている。 「あ・・・あ・・・あ・・・っ」 激しい抽挿とそれに合わせた手の動きで前を扱かれ、僕は直ぐに達した。そしてそれに合わせるかのように、葵くんも・・・。 言葉通りすぐ済ませてくれたけど、その分激しくて息が上がる。 そんな僕をよそに葵くんは僕のと自分の後処理を素早く済ませると、僕のズボンを直してくれた。 まだぼやっとしている僕に椅子は危ないと思ったのかソファに座らせると、眠ってしまった湊をそっと抱き上げて横のベビーラックに寝かせた。 その寝入りっぷりを確認すると、僕のそばに来て耳元に口を寄せた。 「全然起きそうにないです」 それはもう一度・・・というお伺い、じゃなくて宣言。 葵くんはまだ現実に戻りきれてない僕をソファに押し倒し、シャツの裾をまくって胸を弄りながら耳を舐めた。そして耳朶を噛むと囁いた。 「まだ戻らないでください」 いとも簡単に僕のスイッチを入れた葵くんは僕に唇を合わせると再び下を脱がせた。 くちゅくちゅと音を立てながら口内を貪り、胸から手を下に下ろしてまだ半分だけの昂りを握って上下に動かした。1度達したそこはゆるゆると、けれど確実に硬さを増し、先端を濡らしている。
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