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6
発情期も終わり、八木くんとのわだかまりもなくなって、僕たち家族は休日の午後をまったりと家で過ごしていた。
リビングのマットの上では湊が相変わらず横向きからころんと仰向けになる遊びをしている。それをその横のソファに座って見ている僕と葵くん。
3人がけのソファに2人でくっついてお茶を飲みながら愛息子を見ていると、葵くんの手がさわさわとわき腹をなで始めた。
んん?
耳元に吐息がかかるほど唇を寄せられ、ちろりと舐められた。
葵くんから出る濃ゆい香りに頭の芯が溶け始める。
ん・・・。
そのまま優しく押し倒されると、いたずらな手がシャツの裾から入り込み、直接素肌を撫で始める。その間も耳元からちゅくちゅくと小さなキスを繰り返しながら降りてきた唇は僕のを捉え、小さく開いた唇から舌を入り込ませた。その舌を迎えて絡ませて、たっぷりの唾液を流し込まれて・・・。
シャツの下ではゆるゆると官能的に舐めるように這っていく手に身体の火を灯された、身体がビクビクと小刻みに跳ねる。
糸を引きながら離れていく舌に名残惜しむようにそのまま出していると、もう一度戻ってきて絡めてくれた。
キスは好き。
もっともっと、僕の中に入ってきて・・・。
いつの間にかに脱がされていた下肢の前を握られ、後には指が入り込んでいる。
「腰揺れてる・・・可愛い」
グチュグチュと後ろを解されながら前を扱かれると、もうそれだけでイッてしまいそうになる。
やだ・・・僕だけなんて・・・。
その思いが伝わったのか僕は両膝を割られ、葵くんが身体を滑り込ませてくる。そして、熱い猛りがあてがわれるとゆっくりとそれは入り込んできた。
「・・・ふ・・・ぅん・・・ぁ・・・」
いつもと違いゆっくりと身を沈めてくる葵くんに、まるでじらされているようで、僕は無意識に腰を上げてしまう。
早く・・・もっと奥まで・・・。
早く欲しいのに全然くれなくて、涙が滲んできた。
「もう、奏さん可愛すぎます」
そう言うけど、全然早くしてくれない。
今まで散々ゆっくりだったのに、それが半分まで来た瞬間、いきなり最後まで押し込まれた。
「ひっ・・・あっ・・・っ」
焦らされた挙句の鋭い突きに、僕は一気に上り詰め、達してしまった。
「気持ちよかったですか?」
半ばわけも分からず吐精してしまった僕に意地悪く聞く葵くんの昂りは、まだ僕の中で熱く脈打っている。
どくんどくんというその振動に僕の身体はまたゾワゾワとざわめき、ゾクゾクとしたものが背筋を這い上がってくる。そんな僕に気づいている葵くんは身を起こし、腰を動かそうとしたその時、急に僕の腰から手を離してローテーブルのスマホを手に取った。そしてカメラを起動する。
え?
まさかハメ撮り?!
僕はびっくりして身を起こそうとしたけど、葵くんはスマホを横に向けた。
??
思わず僕もそっちへ視線をずらすと、今まで真横までしか向いていなかった湊の身体がちょっと傾いている。そして、あっと思った瞬間・・・。
ころん。
湊は腹ばいになった。
急に視界が変わった湊はしばらくそのまま動かず、瞬きを繰り返し、おもむろに手足をばたつかせ始めた。
「寝返り・・・した」
すごーい。
湊の初寝返り見れた!
初めての体勢が楽しいのか、そのままずっと手足をばたつかせて遊んでる湊をしばらく見ていると、葵くんはカメラを止め、スマホをテーブルに戻した。
「奏さん、続き・・・」
すっかりそんな気は失せてしまってたけど、僕の中に入ったままの葵くんの昂りは一向に萎えていなかった。
「あ、葵くん・・・」
「続き、しますよ」
ぶわっと香る濃ゆい香りに支配力を混ぜ、僕のスイッチは再び入れられた。
その後葵くんの香りに煽られた僕は乱れに乱れ、昼日中から腰が立たなくなってしまったのは言うまでもない。
了
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